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私のライフワーク「運動器エコー」

[2026.04.16]

こんにちは、院長の中村です。本日は私の整形外科医としての「ライフワーク」についてお話ししたいと思います。それは「運動器エコー(超音波検査)」を用いた診療です。私が日々の診察にエコーを本格的に取り入れ始めてから、早いもので14年という月日が流れました。今でこそ整形外科領域でのエコー活用は一般的になりつつありますが、14年前はまだ「整形外科の検査といえば、まずはレントゲン」という時代でした。当時手探りでプローブ(探触子)を当て、画面に映し出される白黒の荒い画像から神経を探し出そうと没頭していた日々が昨日のことのように思い出されます。

エコーがもたらした診療の革命
整形外科の検査の代名詞といえばレントゲンですが、レントゲンは主に「骨」の状態を映し出すものです。しかし患者さんが訴える「痛み」の多くは実は骨そのものではなく、それを支える筋肉・腱・靭帯、あるいは末梢神経といった「軟部組織」に原因が隠れています。これらはレントゲンでは透過してしまいはっきりと写し出すことができません。エコーの最大の強みは「体を動かしながら、リアルタイムで組織を観察できる」点にあります。
例えば肩を上げた時にどこが引っかかっているのか、どの動きで腱が骨に衝突しているのか。静止画であるMRIやレントゲンでは捉えきれない「動的な異常」をその場で可視化できることは、迅速かつ正確な診断において圧倒的な武器となります。

私自身の「肩」を診て感じること
ここで、私自身の右肩のエコー画像を皆さまに供覧したいと思います。

実は最近私自身も重いものを持った際などに肩に違和感を覚えることがあり、自分でエコーを当てて診察してみました。画像を確認すると腱板(肩を支えるインナーマッスル)にやや腫れが見られ、内部には小さな石灰化(カルシウムの沈着)も認められました。中高年以上で最も重要なのは「腱が切れている(腱板断裂)かどうか」の判別です。エコーで精査した結果、幸いにも断裂は認められませんでした。「石灰化はあるが、構造的に破綻はしていない。今は大きな怪我ではない」という判断できます。自分自身の体でこうして納得できる診断が得られるのも、エコー診療の大きな魅力であり私自身がその有用性を一番に実感しています。

患者さんと「目線を合わせる」診療のために
この14年間で、機器の解像度は驚くほど向上しました。かつては見えなかった細かな神経の走行や、わずかな炎症のサインも見逃さないレベルに達しています。しかし技術の進歩以上に私が大切にしているのは、「患者さんと一緒に画面を見ること」です。「ここが少し腫れていますね」「動かすとここで引っかかっています」と、実際の画像をお見せしながら説明することで、患者さんもご自身の痛みの正体を視覚的に理解することができます。原因が分からない不安が「見える化」によって解消されること。それこそが医療における安心の第一歩だと信じています。

これからも、学びを止めずに
14年という歳月を積み重ねてきましたが、運動器エコーの世界は今もなお進化の途上にあります。ハイドロリリース(筋膜リリース)のような新しい治療技術も含め、より低侵襲でより精度の高い医療を提供できるようこれからも研鑽を積む毎日です。これからもこの「運動器エコー」という武器を最大限に活用し、患者さん一人ひとりの痛みの原因を根本から見つめていきたいと考えております。

「痛みの原因がはっきりしない」「歳のせいだと言われたが納得がいかない」といったお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。最新の知見と14年の経験をもって、皆さまが健やかな日常を取り戻せるよう全力でサポートさせていただきます。

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